ド●えもんの●太のパラレル西遊記


その日、三蔵一行は天候不順の為、或る村の宿で足止めを受けていた。

悟浄「じゃーん、やっぱ雨の夜と言えば、ビデオ大会っしょ!!」
八戒「……申し訳ありませんが僕はちょっと失礼します。」
三蔵「フン、めでたいヤツだな。―俺は寝る。」
(以上、二名隣室に引き取る。)


悟浄「……あーそー……」←悟空をじっとりと見遣る。


悟空「……俺ぇ?あーもー、で何借りて来てんの―?」←付き合いがいい
(ゴソゴソ)
悟空「ドラえもん!?ちょ……マジで?なんでドラえもん!?」
悟浄「バッカ、オメー、ドラえもん甘く見んなよ!?
ドラを哂う者はドラに泣くぞ!?
ちょ―カンドーだろ、基本だろ!?」
悟空「にしたってドラえもんって……」
悟浄「バッカ、ドラドラ連呼すんな、周りに聞こえっだろ!?
恥ずかしーじゃねーか!!
悟空「ああそう、恥ずかしい自覚はあるんだ……。」
悟浄「なんだその目は!!分かったひとりで見りゃいいんだろ!?哀れみは受けねえ!」
悟空「あーもッ、見るって!一緒に見るからさ!」
悟浄「ったくもー」ブツクサ


悟空「で、ドラえもんの何?長編?パラレル西遊記!?」
悟浄「なつかしーだろー♪」
悟空「ああウン……」


―間。


悟浄「……そうか、しげしげ見るとアレだな……。」
悟空「かなりビミョーなチョイスじゃねえの、コレは……。」
悟浄「しかしアレだよな、このタイトル改めて見るとかなりウマイことやった感あるよな。」
悟空「だな……むしろこっちにくださいってカンジ?」
悟浄「大人になると意表なところに目が行くな……。」


悟空「これってさ、誰が誰になってんの?」
悟浄「たーしーかー、のび太がオメー(孫悟空)?」
悟空「ウワーイ、主役〜♪」
悟浄「……テストオール0点だけどな。ドラえもん来なかったら未来永劫駄目男確定だけどな。
得意技はあやとりだけどな!」
悟空「……!いい!主役だから!!最後にちょっとかなりいいとこ見せたりするから!!
悟浄「てか、得意技・あやとりはむしろ今オメー出来ないもんな。進歩だな!」
悟空「……!」


悟浄「オメーがあやとりねえ……。」(想像)


悟空「もうやめよう!!俺ちょっと自分でウケそうだから!!」
悟浄「にっあわねえええええええ!」
悟空「分かってっよンなことは!!むしろ似合わなくていいし!」


悟浄「でー、スネ夫がオレ(沙悟浄)?」
悟空「アイツ?口とがっててヘンな髪型でマザコンおぼっちゃんのスネ夫?」
悟浄「オメー、よく瞬時にそこまでスネ夫の悪口思い付いたな……特にマザコンの辺り。」
悟空「それはここぞとばかりに。」
悟浄「チッ」
悟空「なんか言い返さないんだ?」
悟浄「ヘンな髪型とかはフォローのしようがねえだろうが!」


悟浄「そんでー、しずかちゃんvvが三蔵?」
悟空「うっわ、ありえねー!!!」
悟浄「だってヒロインよ?あの三蔵がヒロインだぜ!?」
悟空「やめろって!!」
悟浄「日に三度は風呂に入る三蔵だぜ!?」
悟空「ぎゃはははははは」
悟浄「敵に捕まってみたりとか……」
(悟浄、不自然に言葉を切る。悟空、ピタリと笑い止む。)
悟空「……それは……」
悟浄「……それに近い状況は経験済みだなそういや……」
悟空「三蔵ってヒロインだったんだ……。」
悟浄「ヒーローはオメーだ、頑張れよ。本当の西遊記でも忠実な従者だしな、ファイト!」
(ポンポンと肩を叩く。)
悟空「……しずかちゃんならよかったんだけどなあ……。」(遠い目)
悟浄「まあな……しずかちゃんは銃ブッ放したりしねえもんな……。」(遠い目)


悟浄「てことはァー、ジャイアンが八戒か。」
悟空「だな。」
悟浄「……。」
悟空「……。」


……オレのものはオレのものオマエのものもオレのもの……
脳裏を過ぎる名台詞。


悟空「……!」
悟浄「あーオメー、今ちょっとぴったりじゃんとか思ってっだろ!?」
悟空「バッ、んなワケねーじゃん!!全然だよ全然!!無いって!!」
悟浄「ホントかー?マジになってる辺りあやしーぞー?」
悟空「大体言い出したの悟浄じゃん!!そっちが思ってんだろ!?」
悟浄「バッカ、ンなおそろしーこと考えっかよ!!」
悟空「恐ろしいとか言ってんじゃん!そういうことじゃん!!」
悟浄「だぁらちげーって」


ガタン(扉が開く)


八戒「なァにやってんだぁ?スネ夫」(怒)
三蔵「あぁら楽しそうね、のび太さん?」(怒)


浄/空「ヒィィィィィィ!!」


悟空「だから違うってだいたい悟浄がさっ」
三蔵「知るかァ!!」
―スパァァァァン(ハリセン)
悟空「イテ―!!!」
三蔵「誰がひよわだ誰がァ!!」
悟空「ひよわとは言ってねえじゃん!!」
三蔵「死んどけ!!」
―ガウン(発射音)

悟浄「俺じゃねえって俺じゃ!」
八戒「そうですかねえ?そうは聞こえませんでしたけどねえ?」
悟浄「あれはちょっとした心の代弁だって!!」
八戒「知りませんねえ、この口ですか?僕が横暴だなんて仰ってたのはこの口ですか?」
悟浄「誰も横暴とは……イデデデデデデデデデデ!!」
(口を引っ張られている)

結局、その晩二人は遂に『ドラえもんのび太のパラレル西遊記』を観ることは無かったと言う。

-end-


 イヤちょっとオリジナルサークルの無料冊子の次回の表紙を考えていてですね。写真+αなんですが、そこのこう半端な詩みたいのを考え付いて会社でメモメモしていたら、その内容からやたらに、パラレル西遊記の主題歌を思い出しかつ頭を回りだし離れなくなり、スゲェいい歌なのに気が付いたら思考がこんなとこまでトンでましたハイ。