ガタガタと走るジープの中、三蔵はふと運転席の八戒を見遣ってどきりとした。
「八戒・・・・・・。おまえ耳・・・・・・。」
ああ、と耳に手を遣り八戒は事も無げに答えた。
「ひとつ取れてますね。」
騒いでいた後ろの二人もピタリと動きを止めた。
「えええええええええええッ!?八戒、それって・・・・・・」
「制御装置のことかよ!?マジか!」
それでも八戒は涼しげに言う。
「どうりでスーパー八戒が出易いと思ってました。コレって結構落ち易いんですよね?」
三蔵はその答えなどどうでもいいとばかりに後ろの二人を振り返った。
「てめぇら一緒に探せ!!」
二人は無言でこくこくと頷きシートの下を改めようとした。が、そこでジープはぴたりと止まった。三人は寒気を感じながら恐る恐る顔を上げた。
しかし八戒は嫌な気配を感じさせながらもあくまで笑顔だ。そして三人の顔を見渡すようにして大丈夫ですよ、と言った。
たくさん持ってますから。
そして開いた手にはジャラジャラとあるわあるわ・・・・・・。三人が呆気に取られる中、八戒は笑顔で更に続けた。
ああ、なんなら三蔵の分もありますよ?(にっこり)
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