+玄奘三蔵一行→某御老公一行+

某日、或る宿屋にて。

(テレビ音)
―ベンベンベンベベベベンベンベンベベベベベベじーんせーいいらっくありゃーくーもあーるーさー♪

悟空「うわ、悟浄何水戸黄門の再放送なんか見てんの!?」
悟浄「バッカ、オメー水戸黄門をナメんなよ!?近頃の流れで行ったら、
   まず八割方助かるだろうと思われていた身体の弱いおっとうだの
   ロクでもない息子だのが
   意表をついてまれに死んだりしてマジに涙を誘ったりするんだぞ!?」
三蔵「フン、趣味が年寄りだな。」
悟浄「せんべーシケらせて喰ってるヤツに言われたかないわ!」

―ガウン(銃声)

悟浄「ギャー」
三蔵「フ―……何か言ったか?」
悟浄「イエ何も。」
三蔵「で、第何部だ?」
悟浄「は?」
三蔵「テレビだテレビ。」
八戒「んー、黄門様が西村晃だから14から21辺りじゃないですか?」
三蔵「そうか、個人的にはその辺りが好きだな。」
八戒「最近のはちょっとねえ……。」
三蔵「石坂浩二版なんざもっての他だな。あれは30部辺りだったかな。」
八戒「民放時代劇と大河ドラマを一緒にしちゃいけませんよねえ。」
悟浄「マニアだ!マニアがいる!!

悟空「・・・・・・。」

八戒「そう言えば何となく僕たちとシチュエーションが似てますよねえ。」
悟浄「言われてみりゃそうだな、一応きっちり目的はあったりするんだけど当初の目的忘れるくらいに行く先々で厄介事に巻き込まれる辺りとかな。」
三蔵「14部なんざ当初の目的を果たさずに放送終了してるぞ。」
悟空「……マニアだ……。」(ボソリ)
三蔵「なんだ?」
悟空「イヤイヤイヤイヤイヤ、どうせなら『諸国漫遊』んとこ欲しいよなーって!」
三蔵「テメーは行く先々で喰いまくってまだ何か不満か?」
八戒「今ちょっと思い付いたんですけどー、僕らが水戸黄門やるとしたらどういうキャスティングがいいでしょうねえ?」
三蔵「フン、くだらん。」
悟浄「へーえ、面白そうじゃん、ちょっとやってみようぜ。」
悟空「こっちにメモ用紙とかあるぜー。」
八戒「じゃあ後で見せっこですねvv」
三蔵「ったくガキかテメーら」(と言いつつメモ用紙に手を伸ばす)
悟浄「まあまあまあまあ」
八戒「ややっこしいから、今テレビでやってる古いシリーズのキャスティングでやりましょう。」
一同「ウイース」

―間

悟空「でーきーたー!」
八戒「どうなりました?」

ごローコー→さんぞ
スケさん→オレ
カクさん→はっかい
ウッカリハチベエ→ごじょー

悟浄「待て!一部著しく不満の残るキャスティングだぞ!三十文字以内で理由を付記せよ!」
悟空「エー?」(カキカキカキ)

ごローコー→さんぞ(リーダーだから
スケさん→オレ(つよいから。)
カクさん→はっかい(つよいから。)
ウッカリハチベエ→ごじょー(いまいち役立たずな面もあるから。)

三蔵「なんだその(リーダーだから)は!このクエスチョンマークは!」
八戒「へー、そこに拘るって事は一応リーダーのつもりだったんですね?
   これからはそのように見做しますから。」
三蔵「・・・・・・。」
八戒「責任重大ですねvv」
三蔵「・・・・・・。」
悟浄「てゆーか怒るのはオレだ!なんだこの役立たずって!」
八戒「まあまあ悟浄、遊びですから真剣にならないで。アナタはどうしたんです?」
悟浄「オレか?オレのバージョンはスバリこうだ!」

黄門様→三蔵
助さん→八戒
角さん→オレ
ハチベエ→悟空

悟空「なんだよソレー!」
三蔵「と言うか、やはりこの面子なんだな。」
八戒「ウーン、男四人でミニマム編成だとコレしか無いって感じではありますよね。」
三蔵「一応理由も見てやるから書け。」
悟浄「ヘイヘイ」(カキカキカキ)

黄門様→三蔵(最年長。)
助さん→八戒(消去法で必然的に。)
角さん→オレ(硬派/二枚目/強い/格好いい
ハチベエ→悟空(食い気。)

三蔵「誰が年寄りだ!
悟浄「年寄りとは誰も書いてねーだろ、さては自覚あるな!?」
三蔵「うるさいわ!」

―ガウン

悟浄「だー」
三蔵「黙って死んどけ!」

―ガウンガウン

悟浄「てゆーか誰か止めてくんないの!?
   遊びで本気になってるひとがここにいるんですけど(泣)!
悟空「オレ……食い気って……。」
八戒「そうですねえ、食い気だけで言うなら悟空の食い気と八兵衛さんの食い気を比べたら八兵衛さんに失礼かもしれませんねえ。」
悟空「・・・・・・。」
三蔵「待てコラ」
悟浄「待ったら死ぬだろ!」
三蔵「殺すって言ってんだよ!」

―間

悟浄「……ハーハーハーハー」
三蔵「……フーフーフーフー」
八戒「二人とも気は済みました?」
三・浄「・・・・・・。」
八戒「で、三蔵は何て書いたんです?」
三蔵「俺か?」

水戸光圀→俺
佐々木助三郎→悟浄
渥美格之進→八戒
うっかり八兵衛→悟空

悟空「スケサブロー……カクノシン……しかも苗字付きで漢字……。」
悟浄「やはりマニアか!
   てゆーかオレ、助さんか?なんか理由は分かるけど一応書けよ。」
三蔵「面倒だな。」(カキカキカキカキ)

水戸光圀→俺(一応多分暫定名義上リーダー)
佐々木助三郎→悟浄(女絡みでトラブル。)
渥美格之進→八戒(消去法。)
うっかり八兵衛→悟空(既出だが食い気。)

悟浄「オレさー、ソレ絡みでテメーにメーワクかけた覚えは無いんだけどなあ。」
八戒「そうですね、三蔵には無いですね。」
悟空「ナニナニ、昔なんかあったのー?」
八戒「そのうち機会があればお話しますよvv」
悟浄「……そんな機会は無くてイイ……。」
八戒「あれ?三蔵、どうしたんですか?
   どうせならリーダーって言い切ってくださいよ?
   ね?リーダーがしっかりしてくれないと困りますねえ。
三蔵「イヤ、なんだ、俺はコレでいいんだ……。」
悟空「てかさー、ハチベエはフルネームねえの?」
三蔵「ああ、ハチベエはうっかり八兵衛だ。
   役名がうっかり八兵衛だ。
悟浄「へーへーへーへー」(机を叩く真似)
悟空「俺なんかハチベエが気の毒になってきた……。で、八戒はなんて書いてんの?」
八戒「えーとですねー、あ、理由ももう書いてますよ。」

水戸光圀→三蔵(三蔵一行って言われてますし。)
佐々木助三郎→悟浄(タラシ。)
渥美格之進→悟空(戦力。)
うっかり八兵衛→僕(似てるから。

三蔵「・・・・・・。」
悟空「・・・・・・。」
悟浄「・・・・・・。」
八戒「アレ?リアクション薄いですねえ。」
悟浄「オイ」(ガッと悟空の首に腕を回して顔を寄せる)
   (コソコソ話モード)
悟空「あんだよ?」
悟浄「おまえ聞けよ、
   『似てるって名前が?
   って聞けよ!」
悟空「ヤだよ!俺も思ったけどなんかイヤだよ!」
悟浄「これはアレか?ネタか?ツッコミ待ちか?
悟空「わっかんねーよ微妙過ぎて!」
悟浄「俺もわかんねーんだよアイツのああゆうところ!」
   (コソコソ)
三蔵「・・・・・・。」
八戒「どうしたんでしょうねえ、二人とも。」
三蔵「おまえ、楽しんでないか?」
八戒「?」
三蔵「いやいいんだ……何でもない……。」
八戒「大体、四人で黄門様一行を成り立たせないといけないってシバリが無ければもっと思い付くんですけど。」
悟空「え、例えば?」(話題が逸れてホッとしている。)
悟浄「そうそう例えばどんな?」(同じく。)
八戒「そうですねー、

うっかり八兵衛=三蔵
かげろうお銀=三蔵


   とか?」
三蔵「なんだそれはー!!!!」
悟浄「……あのー、理由とか聞いてもいいですか?」
八戒「やだなあ、分かりませんか?僕なんてすぐに

結構ウッカリしたシーンの数々
例:第弐巻186頁六道から悟空を庇って死にかける
例:第四巻181頁倒したと思った雑魚妖怪に背後から経文を奪われかける
例:第五巻177頁明らかに死んでいない蠍オカマさんに余裕で背を向けブッスリ毒で死にかける
例:第六巻128頁↑の毒から目を覚ました瞬間恥ずかしい独白を八戒に聞かれる
例:第七巻79頁背後ならまだしも正面から不意をつかれる「ひゃっはあ道づれだぁあ!!!」
例:第七巻98頁↑から立て続け金閣に不意をつかれアンタその格好はヒロインですよ

   とか、

男主人公とは思えぬお色気シーンの数々
例:第五巻30頁悟能を探しにやって来た酒場でオヤジにケツを撫でられそうになる
例:R第三巻122頁文字通り『貞操の危機』
例:R第三巻134頁コレは外せない問答無用の入浴シーン、ケツまで見せちゃったよ

   とかが頭を過ぎりますけどねえ。」
悟浄「ぎゃははははははは」
悟空「は、八戒……グッジョブ……!」
八戒「そうですかー?あははははは。」
三蔵「・・・・・・。」
悟浄「ぎゃははははは……ハッ」
悟空「駄目だ腹イテー!あははははは」
悟浄「オイ待て悟空!」
悟空「え、何?」
悟浄「この展開は」

―ガウンガウンガウン

浄・空「ギャー!!!!!!」
三蔵「貴様ら今すぐそこになおれ!!一思いに殺してやる!」
悟浄「やっぱりそう来たかー!」
悟空「やっぱり?やっぱり?なあなんでいっつも俺ら二人だけなの?」
悟浄「知るか三蔵に聞け!」

―ガウン

悟空「ヒィィィィィィ!」
八戒「あははははははは」

えー、実はこれしきのネタなのに思いついてから半分書いたまま数ヶ月放置していてようやく完成したと言う……。いかがでしたかー?楽しんでいただければ幸いですが。三蔵様の人物像というのは私の中ではかなり支離滅裂で、せんべー食いながら時代劇見てる三蔵様もありかしらー?とかとんでもない事を考えてしまいました。
ちなみに水戸黄門関係のマニアックな知識は別に風凪が初めから知っていた訳ではないです(笑)。ですが、実は時代劇はわざわざは見ないけど見かけたら見てしまいます。……年寄りはアタシか?
しかし三蔵様の名シーン(迷シーン?)を探す為にダイジェストで全巻見直す羽目になってしまった……。あーなんか久々に読み返したくなってきたな。てか初期のカンジが今見るとスゴイ好きでー。
とゆーか……なんで入っていた筈の本が元の棚に戻りきらないかな……。スプリガン(版形が同じなので並べていた)を何処かにやれと……そういうことなのか……?
(参考:TBS水戸黄門オフィシャルサイト

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