―ある日の宿の一室にて。
三蔵「……っぐしょーいッ」
悟空「うわぁ、もー驚かせんなよ、三蔵!」
悟浄「てーかオヤジみたいなくしゃみしてんなよ。」
三蔵「うるさ……っは」
悟空「わーわーわー」
三蔵「…………フ―……」
八戒「……フェイントですか……。」
三蔵「そういうときもある。」
八戒「風邪ですか?だったら早めの養生が大切ですよ。」
三蔵「とゆーワケでも……なんかこう鼻の奥が…っぐしょい」
悟空「三蔵キタネー!!」
三蔵「誰がいつ何を飛ばしたァ!!」
悟空「俺は三蔵が鼻水飛ばしたなんて言って無いじゃん!!」
三蔵「黙れ!…っくしょい!!」
悟浄「あーあーあー。風邪じゃないならアレじゃねえの?」
八戒「ああ。」
三蔵「なんだってんだ?」
八戒「花粉症ですよ。」
三蔵「かぁふんしょーう?俺がそんな軟弱な……っくしょいッ」
八戒「……大丈夫ですか。」
三蔵「……とにかく!大体、去年は何とも無かったんだからんなワケねえだろ。」
悟空「やー、でもあれって、ある年急になるモンなんだろ?な?」
八戒「そうですそうです。花粉の限界量とでもいいますか、それに到達したら発病するみたいな。……なんです、その顔は。」
三蔵「……悟空の知っている事すら知らんとは……!」
悟空「何だよソレ!」
三蔵「……一生の不覚……!!!!」
悟浄「……察するぜ……!」
悟空「二人でなんか分かってんなよ!!」
悟浄「まァ、あれだ、どちらにしろ休んでたらど……っくしょい!!……アレ?」
悟空「あー、悟浄も花粉症?」
悟浄「バッカ言え、んな筈ねーだろ、こちとらカラダだけはジョーブ…ぐしょいッとくらあッ」
三蔵「うぇっくしょい!!……フ、強がりを。」
悟浄「テメェもだテメェも!洟すすりながらカッコ付けてる場合か!!」
悟空「うはははははは、悟浄、三蔵のがうつったんじゃねえの!?」
八戒「うつる……!?うつると言ったらあなたがたまさか……!?」
悟浄「どうしてそこでテメェはいかがわしい発想に走る!!……ぐしょいッ」
八戒「イヤですね、悟浄、まだ何も言ってないのに……僕らツーカーですね☆」
悟空「へー。」
悟浄「おまえはそこで頷くな!!」
悟空「イッテ、イキナリなぐんなよ……はっくしょいッ!」
三蔵「ん?おまえもか悟空?」
八戒「なんと……三人ともですか?まさかあなたたち夜な夜な●●パーティーを!?」
悟浄「だからそういう発想は止めろ!!」
八戒「いやですね、悟浄、今あなた●●(に何入れたんですか?まさか」
悟浄「テメェはそれ以上しゃべんな!!」
八戒「あははははは……は、はっくしょい!!……アレ?おかしいですね、僕は確実に●●(パーティーには参加してない筈なのに……!?」(真剣)
悟浄「いい加減そこから離れろ!!だいったい花粉症はうつらねえんだよ!!……ぐしょッ」
八戒「三蔵一行総花粉症。これはこれから先の旅路は大変ですねえ。」
悟浄「テメェはなんでそんな人事調なんだよ……。」
悟空「うえー、カッコわるぅ―……くしょッ」
三蔵「ちょっと待て……うつるってことは普通に風邪なんじゃねえか?」
悟浄「……もっと早く言えよ……。」
八戒「じゃあさくっと病院でも行きますかー」
悟空「さんせー。」
―医師の診断結果、四人とも紛れも無く単なる風邪だったという。
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