「えと・・・ハイ、こっちが悟浄の煙草。吸い過ぎちゃだめですよ。」
八戒の持つハイライトのカートンに手を伸ばしながら悟浄はオッケーオッケーと笑顔を見せる。それが口だけなのは聞いている方も十分承知だが。
続いて悟空にお菓子を渡して、三蔵にもこちらはばらで買ってきた煙草の箱を渡すと、後に残ったのは僅かな生活必需品だけだ。その紙袋を後部座席の二人に渡して、八戒はでは出発しますかね、と運転席のドアに手を伸ばしたが、一応、という感じで三蔵に尋ねた。
「他に買うものってもう無いですよね?」
地図で見る限り次の町までには何度か野宿が必要だったので、念を入れたのだ。
しかし。
「・・・・・・薬局に寄れ。」
三蔵からは至って真面目な返事が返ってきた。
「常備薬は切れてませんけど・・・・・・具合でも悪くしましたか?大丈夫ですか?」
三蔵は小さく首を振り、仕方ないなとでも言うように、ふっと吐き出した。
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