□第七話「新たな仲間!」

 そんなわけで三蔵一行は城下町に向けて動き出した。
 法衣姿の三蔵、ブレストアーマーに身を包む悟空、黒い雰囲気のロー
ブをなびかせる八戒、ふざけた格好の悟浄……しかし、その背後に何故
か五人目の姿があった。
「三蔵ちょっと待って、ハナコさん遅れてっから。」
「そうか悪かったな。」
「大丈夫ですかハナコさーん。」
 三人それぞれの反応に悟浄はがっくりと肩を落としたかと思うと、今
度はやおら騒ぎ出す。
「もぉ―いいだろ?な?あいつ置いてこうぜ?いいだろ?なあッ」
 しかし三蔵はしっかり足を止めて五人目―ハナコを待つ。その口元は
にやにや笑いを隠せない。
「女性には親切にするのがテメェの主義じゃなかったのか?」
「そうだよ、ハナコさんに悪いじゃん!!」
「そもそもハナコさんは悟浄を見初めた訳ですからねえ。ちゃんと責任
は取りましょうね?それに案外最後にはああいうひとと一緒になるのが
あなたの幸せかもしれませんよ?」
「クソッ……」
 三蔵のみならず他二名の加勢に言葉を失う悟浄の背後から軽快な―も
とい、どたりどたりと重く、湿った足音が近付いてきた。
「ごめんなさぁ―いvvハナコ、暑いとちょっと動きにくくて。」
「仕方ないよそれは。」
「そうです、別に僕らいそいじゃ居ませんからね。」
「テメ、近付くな!!」
「悟浄、それはないだろう。」
「ホント、ひどいッ」
「あ―悟浄、ハナコさん泣かした―」
「女性を泣かすなんて最低ですよ、大丈夫ですかハナコさん。」
「いいんです、私、これくらいじゃ負けませんッ」
 ハナコは再び悟浄の傍に寄ろうとする。避ける悟浄の肩を三蔵が押し
た。
「テメ、鼻の下に塗ってるソレは何だ、ソレはッ」
「なんのことだか。鼻の下のメンタームといえば眠気覚ましだ眠気覚ま
し。」
「悟空、鼻栓だろ!?そりゃ鼻栓だろ!?」
「えッ?ち、違うってこれは……今こういうの流行ってんだぜ?」
「八戒、今テメェさりげに風上にまわってっだろ、卑怯だぞ!!」
「卑怯も何も責任は悟浄にあるんですから。」
「ハナコのせいでみなさんで喧嘩なんてなさらないで……!」
 可憐に両手を胸の前で組むハナコ、彼女は花も恥らう十七歳……の腐
った死体だった。悟浄の嫌がりようもこれでお分かりというものだろう。
彼女がこうして一行についてきたのも一重に悟浄の新技の為だった。
 悟浄の新技とは?そしてハナコと悟浄の恋の行方は!?王様にはいつ
会う気だ世界は救われるのか、以下次回を請う御期待!!