□第五話「ダイ・ハード」

「ぎゃ―ッ」
「うわああああああああああああああああああッ」
「……!!」
「もう……もうイヤだあああああああああああああああああああッ」
 
 そんなこんな悟浄の活躍もあって、三蔵一行はなんとか件の洞窟を制
覇し、村人を騙すこともなく無事に残りの報酬を得ることが出来た。
「これでしばらくお金には困りませんねえ。」
「俺、俺見てレベル上がったvv」
「良かったですねえ。ロクに戦ってない三蔵でさえふたつもレベルが上
がってますから。」
「放っとけ。」
 そんな三人の会話を満身創痍で見守りながら悟浄はハッとした。
(俺、レベル上がってねえぞ……!?)
 悟浄の脳裡に今回のクエストでの戦闘場面が過ぎる。

 三蔵は悟浄をかばった!三蔵は3のダメージ!!
「手間のかかるヤツだ。」
「テメェが勝手にやってるんだろうが!!」

 悟浄はあくまで不思議な踊りを踊ろうとした!
 悟空は悟浄を取り押さえた!
「テメェんなことに自分のターン使うなよ、分かってんのか、無駄にな
ってんだぞ!?」
「だって、三蔵がこうしろって。」

 ……などなど。

(俺、戦ってねえ……。)
 このままでは一向にレベルが上がらねェぞ……!?

「明日大きな町についたら焼肉やさんにでも行きましょうかねえ。」
「やったッ」
「騒ぐなサル、俺はもう寝る。」
「うん、おやすみー。」
 悟浄の心配を他所に夜は更けていくのであった。

 さあ、依然として悟浄のこの待遇は続くのか、それとも彼には更なる
運命が……!?一体主役は誰なんだ、話の意図は何なんだ、ますます迷
走するホムゴンクエスト、次回も請う御期待vv