□第十話「新たな技!3」

―悟浄はパフパフした!
―ぱ〜ふ〜ぱ〜ふ〜vv
―サラマンダーは150のダメージ!
―サラマンダーをやっつけた!!

注:風凪が長らくドラクエをプレイしていない為、パフパフに関する形
    容が不正確である恐れが多分にあります。御了承くださいませ。

 悟浄は眼前の光景を信じられないといった目付きで眺めていた。モン
スターは完全に事切れて倒れている。
 信じられない思いは他の三人も同じだ。
「あのさー、パフパフってチャーム系の技なんだよな?」
 確認するように言う悟空に八戒は頷く。ええ、そうですよ、と。
「なんでコイツ、ダメージ受けてんの?なに?」
 悟空はおっかなびっくりモンスターの尾を足で小突いた。外傷が無い
為、今一歩不安の残る勝ち方だ。同じく恐々モンスターを眺めていた三
蔵が、何か思いついたように顔を上げた。
「おい、本来は女性の使う技だな、パフパフは?」
「まあ、そうだよな。」
 悟浄が応じる。
「それでこそチャームの効果が現れるわけだ。考えてもみろ、男に魅惑
されてうれしいか?しかもコイツだぞ?」
 三蔵はびっと悟浄を指差す。一様にその指先を追って悟浄を眺め、そ
れから、八戒も悟空も合点したようにああ、と声を漏らした。
「確かに、そうですよね……。」
「そうか、ダメージ受けるくらいショックってことなんだ……。」
 悟浄は複雑な気持ちで、しかしやはり怒りの方が勝って拳を上げた。
「オイ、そこで妙に納得するなよ!!」
「だけど事実じゃん!!」
 八戒が笑いながら悟空の肩に手を置く。
「あまり言っちゃいけませんよ、おかげで僕ら助かったんですから。」
「そうだ、感謝はする……クッ。」
「なんだその最後の笑いはァ!!」
「三蔵が感謝するなんて滅多に無いことですよ?」
「そうそう素直に受け取っとけって、よッ、パフパフ日本一!」
「サル、テメェ、それはやめろ!!」
「そこでガタガタ騒ぐな!」

―スパァンッ

 気持ちよくハリセンを振り下ろしたところで、三蔵が改めて、街の方
向を仰ぎ見た。
「よし、この調子で行くぞ!俺たちにはパフパフがある!……クッ。」
「だから笑うな!!」

 こうして悟浄の新技によって一行は救われた!!
 このまま無事に街にたどり着けるのか!?そんな一行に、次号新たな
出会いが!?以下、次号を請う御期待!!