□ふくろ【ふくろ】 言わずと知れた道具を保管するための袋である。 何処かの村に住む何処かのおっさんがこのふくろを改名する能力を有 している。しかしこの能力はひとりにつき一回しか使えないので名前は 慎重に考える必要がある。因みにこのおっさんはこの世界に複数存在し ているらしいがその正確な数は誰も知らない。 例:三蔵一行の場合。(後編) 一週間前。 三蔵一行もまた、そのふくろの名称を変更すると言う能力を持つ人物 に遭遇していた。 空「なあなあなあなあ、どうしよっか!?なんて名前にしようか!?」 八「いざそう言われると迷うところですよねえ……。」 浄「ふっじこちゃ〜んvvってのはどうよ?」 空「なんだよソレ……。」 浄「ただでさえむさっくるしいんだぜ?ふくろの名前くらい潤いあった っていいべ?」 空「え―だったら、俺、にくまんがイイ―!」 浄「に、にく……。」 ―キミたち早くしてくれないかね? 八「あ、ハイ。……ええっと、僕もそれはどうかと思いますけど。」 浄「不二子ちゃんだって!!」 空「にくまん!!」 八「ええと……。」 睨みあう二人。 ―もう待てないよ、仕事があるんだから。 八「ええっと、三蔵は、どうですか?」 三「何をコイツらはガタガタ騒いでんだ?」 八「ですからふくろの名前で……」 ―ああもう、次何か言ったらそれで決定だからね? 三「ふくろぉ?……んなのどうだって」 ―ハイ、『ふくろ?』で決定ね!!さ、出てった出てった! 八・空・浄「―え?」 そのまま追い出される四人。 八「まさか本当に……。」 悟浄、無言で道具袋を取り出す。 浄「三蔵、コレな―んだ?」 三「ったくそんなわきゃねえだろ、ふくろ?……は?ふくろ?」 空「ええッ、マジ―!?悟浄、ふくろ?貸し……ああッ!!」 八「当分この上がり調子から逃れられないんですね僕ら……。」 三「ええいクソッ。……ふくろ?ふくろ?……チッ!」 浄「クソー、三蔵のせいだぞ!?」 三「ほう?」 空「……まあ、直接は確かにそうだけど……。」 三「大体テメェらがさっさとしねえからだろうが!」 ―ガウンガウン 浄「三蔵絶対カルシウム足りてねえッ」 三「俺はあの無意味なあがりっ調子はムカつくんだよ!」 空「そんな理由で!!」 八「これは早いところふくろ?を元に……確かにイヤですねコレ ……。」 こうして三蔵一行はまた新たな旅の使命を背負うことになった! 果たしてふくろ?が元に戻る日はくるのか!? 頑張れ三蔵、負けるな三蔵、ファイトだ三蔵!!